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[読書] ロジカル・プレゼンテーション
2008/08/22 Fri
院試勉強の息抜きに読んだ、『ロジカル・プレゼンテーション』がかなり良書だった!
これは買うべし!! タイトルからプレゼン本の印象を受けますが、提案スキルという切り口から、ロジカルシンキング、会議設計スキル、資料作成スキルのポイントを学べる本です。 対象は、学生から、若手、中堅ビジネスマン、マネージャークラス、経営者まで...広い。ロジカルシンキング関連の本を全く読んだことのない人は何か1冊挟んだ方がいいと思いますが、そうでなければ必ず何かしらの学びは得られると思います。 僕は今まで持っていた知識がかなり整理されたのと同時に、それらの知識が現場の文脈に結びついた感じがしました。実際に仕事に活かせることも山ほどあった。 単なるノウハウ本でなく、1つの物語を軸に講義が展開されていくのが読みやすくて良いですね。 以下、サマリーをシェアします。(長いです) サマリーをざっと読んで、曖昧な点を本書で熟読するのがオススメです。予習&復習にお使い下さい。 ■はじめに―提案の大切さ― 提案=「考える」+「伝える」 ビジネスは提案に満ちている。他企業との交渉、上司との打ち合わせ、部下への指示、顧客への営業、etc.. ところが、多くの企業で、異なる背景や価値観を持った人間が、「相手も自分と同じ考え方をしているはずだ」という幻想のもとに、いい加減な説明をし、お互い理解したような"つもり"になっている。合意形成したつもりが、最後になって食い違う。そして食い違いを相手の責任にして責める...。 これらの問題は、すべて「提案力不足」が原因だ。現在の日本企業の抱える多くの課題は、提案力を向上させることで解決出来る。提案スキルは、ビジネスマンが高い価値の仕事を遂行していく為にも、企業の質を高め、世の中をよくする為にも、必須の技術なのである。 ■提案の技術とは 提案スキル: →論理思考力―話をつなぐスキル →仮説検証力―疑問に答えるスキル →会議設計力―議論をまとめるスキル →資料作成力―紙に落とすスキル ・人生は提案に満ちている。企業では毎日が提案の連続。提案力がないと損をする。 ・提案とは、自分が頑張って通さないと、普通はなかなか通らないもの。 ・多くの提案は、その内容を形として残す為に、資料化する必要がある。 ・紙に落とすのは、資料作成そのものだけのためじゃなく、自分の頭を鍛えるため。 ・うまく説明が出来ない場合は、そもそも何を説明すべきかわかっていない。 ・きっちり考えた上で要約し、シンプルな提案を作ることが大切。 ・提案の技術とは、適切に考え、適切に伝えるためのテクニックである。 ■論理思考力―話をつなぐスキル <論理的であるとは> ・違う前提条件を持つ人たちを納得させるためには、論理的に伝える必要がある。 ・論理的とは、相手にとって、話がちゃんと繋がっていること。 ・話をつなぐ方法は、縦の論理(直列)か横の論理(並列)のどちらかだけ。 ・人が納得しない場合の反応は2種類だけ。 →「本当にそうなの?」:因果関係が説明出来ていない(縦の論理が弱い) →「それだけなの?」:MECEになっていない(横の論理が弱い) ・論理的かどうかは相手が決める。自分の論理を信奉し過ぎるな。 <縦の論理を構築する> ・縦の論理が繋がっている状態とは「誰が見ても」AならばBが成り立っていること。 ・縦の論理が繋がらない原因は次の3つ。 (1)経験や思い込みで、口には出さない勝手な前提条件を置いている。 (2)質の違うものを同質化して議論している。 (3)偶然を必然化している。 ・これらの原因に対処すれば、「本当にそうなの?」は潰せる。 <横の論理を構築する> ・横の論理がつながっている状態とは、「全体が正しく定義されていて、漏れもダブりもない状態」 ・現実世界は複雑で、様々な物の見方が存在するため、そもそも「言葉のレベル感」が合ってないことに注意 ・「言葉のレベル感」をあわせ、同じ次元で議論する為にすべきことは以下2つ (1)誰の言葉か?視点の位置を考える(ex:経営者視点/社員視点) (2)どんな場面での言葉か?切り口を考える(ex:事業立ち上げ/営業) ・言葉の次元がそろった段階で「全体」を考える。全体を定義しなければ漏れは議論できない。 ・「フレームワーク」は「全体」を考える為の便利な既成ツールだが、状況に合わせて使え。 ・自ら新しいフレームワークを作るためには、6次元で発送する。 (1)目に見える3次元:縦/横/高さ (2)目に見えない3次元:時間の流れ/情報などの流れ/人間の気持ち ・漏れがなくなったら、最後にダブリをなくす。複雑ならMECEマトリクスでチェックせよ。 ・横の論理が完成すれば、「それだけなの?」を潰せる。 ・縦横の論理の集大成がピラミッドストラクチャーである。 ・論理的思考力は、仮説検証力や問題解決力など全ての基礎となる最重要スキルである。 ■仮説検証力―疑問に答えるスキル <仮説検証力とは何か> ・仮説検証力とは、相手が抱く疑問に答えるスキルである。 ・論理的に正しいからといって、相手が納得するとは限らない。 ・相手の疑問に答えるためには、仮説検証型思考が必要。 ・仮説検証型思考は、必ず以下の5ステップで進める。 (1)目的の理解 (2)論点の把握 (3)仮説の構築 ↑相手の疑問を知るステップ ----------------- (4)検証の実施 ↓その疑問に答えるステップ (5)示唆の抽出 <目的を理解する> ・コミュニケーションのポイントは、「議論のスタンスの取り方」と「相手の要望の理解」。 ・議論のスタンスには、「押し切り型」と「引き出し型」の2種類がある。 ・ビジネス上では、「押し切り型」で、相手になんらかの意思判断を求めることが必要。 ・※組織運営の為に「引き出し型」も大事だが、それはインタビュースキルやコーチングスキルを他で学んで。 ・押し切り型で意思判断を求めるためには、具体的な話で最後を締めくくる。 ・相手の要望の理解の為には、「話を聞くこと」が大切。 ・提案力を高めるには、論理的思考力だけじゃダメ。常日頃からの気配り、人間力が大事。 <論点を把握する> ・論点とは、相手の意思判断に影響を及ぼす判断項目である。 ・論点を外してしまう場合には4つのパターンしかない。 (1)議論のスタンスが違う場合:一方的な説教とか講義になってる... (2)相手の要望が理解出来ていない場合:相手の話に共感できてない... (3)具体的な判断項目が出せない場合:横の論理が展開出来てない... (4)相手が既に答えを持っている場合:当たり前のコト言ってるだけ... ・論点を外さないための対策は次の通り (1)(2)→目的をきちんと理解する。会議のスタンスを告知する。 (3)→横の論理構築力を磨く。フレームワークの利用。 (4)→相手の知識や経験レベルを把握する。 ・論点がうまくかみあわない時には、原因がどこかよく考えてから手を打つこと。 <仮説を構築する> ・仮説とは、論点に対する自分なりの「ヤマカン」の答え。 ・仮説を理解するには、以下の3点に注意。 (1)"論点"に対する仮の答えが「仮説」であって、論点なくして仮説なし。 (2)「仮説」とは、限られた情報に基づく仮の答えで、あてずっぽうではない。 (3)「仮説」とは、客観的な裏付けに欠けるため、「答え」ではない。 ・仮説が必要なのは、選択肢を絞って検討の効率を高めるため。 ・「考える労力」を相手に押しつけないためにも、仮説を持って話すことが重要。 ・仮説を出すためには、なんらかの情報が必要。無からは生まれない。 ・作業の中で仮説を出しているのか、出た仮説を検証しているのか、常に考える。 ・仮説を出す為には、論点を頭に入れ、常に答えを意識しながら、情報を眺める。 ・縦横の論理が使いこなせれば、仮説が広がり、その精度も高まる。 <検証を実施する> ・検証は、「仮説」が正しいかどうかをファクトと論理で証明すること。 ・「論点なき仮説」「仮設なき検証」は意味がない。 ・検証は明確な終点が無い上に、結局は当たり前の答えしか出ないので難しい。 ・しかし、検証が出来れば議論が決着し、話が進む。 ・検証とは、8割の「当たり前」を証明し、2割の「気付き」を生み出すもの。 ・検証を行う上では、意図的に「強いファクト」を入れるように心がける。 ・ファクトとしては「定量情報」「一次情報」「第三者情報」の組み合わせが最強。 <示唆を抽出する> ・示唆とは、「論点を絞り込む為に役立つ情報」のこと。 ・示唆は、仮説に対する「答え」でもないし、「勝手な主張」でもない。 ・完璧な「答え」はほとんどの場合出せないが、「示唆」が出せれば進む。 ・示唆を出すためには、次の3点に留意。 (1)目的と論点をきちんと理解しておく。 (2)論点の絞り込みに集中する。 (3)検証不能な作業設計をしない。 ■会議設計力―議論をまとめるスキル <会議を設計するとは> ・会議が退屈なのは、「設計」がうまくできていないからである。 ・会議の設計がうまくできない理由は、以下の (1)そもそも、自分達がいま会議をしているという認識がない。 (2)会議の「議題」は準備されているが、「論点」が準備されていない。 (3)「提案全体」と「今回の提案」の区別がついていない。 (4)相手の論理で語られていない。(論理的であるかどうかは相手が決める) ・会議を設計する上では、「着地点」と「着地スタイル」の設計が重要である。 ・会議の設計は、提案書の構成に大きな影響を及ぼす。 ※会議=2人以上の人が集まって話をすること ※どんな目的、状況であっても場に応じた会議が設計出来れば1人前 <着地点を定める> ・「今日はどこまで話をもっていくのか」を決めること。 ・「位置づけ」と「イン/アウト」がはっきりしていれば、会議はうまく着地する。 ・会議の位置づけは、3つの視点で決まる。 (1)仮説検証の視点: 目的/論点/仮説/検証/示唆 (2)コミュニケーションの視点: 顔見せ/話聞く/意見伝える/議論交わす/意志決定 (3)問題解決の視点: 現状/あるべき姿/解決策 ・会議の位置づけが不明確なまま、五月雨式に議論しても話はまとまらない。 ・会議の位置づけを間違えると、あとで差し戻される。 ・「仮説と示唆の混同」「理想と打ち手の混同」「都合の良い意志決定」もダメ。 ・会議のイン/アウトの管理をきちんと意識する。 ※インプット......会議の出席者に事前に知らせておくべき情報 ※アウトプット...会議の結果生み出されるべき情報 ・イン/アウト管理を行う上での注意事項は次の (1)インプットに「新しい感」はあるか? (2)インプットに「進んでいる感」はあるか? (3)アウトプットは「先を急ぎ過ぎて」いないか? <着地スタイルを決める> ・「どんな形の会議にするか」を決めること。 ・相手のスタイルにあわせた「味付け」をすると、理解が深まる。 ・相手のスタイルを考える視点は、以下の (1)読むのが好きな人か、聞くのが好きな人か ※視覚or聴覚タイプか (2)全体観派(横の論理重視)か、芋蔓派(縦の論理重視)か (3)トップダウン派か、ボトムアップ派か ■資料作成力―紙に落とすスキル <資料作成力とは> ・言いたいことを紙にまとめるステップには5つ (1)メッセージを書く (2)チャート化する (3)スライドとしてまとめる (4)パッケージとしてストーリーを持たせる (5)マテリアルとして会議に合った資料作成をする ・モジュール化、すなわり「部品を組み合わせて」資料を作る。 ・「一目で理解でき、誰にも誤解されない」資料を作るよう心がける。 ・「人間の感覚に逆らわない」資料を作るよう心がける。 ・簡潔な資料を作るには、3つを捨てる勇気を持つことが必要。 (1)不要な情報 (2)不要な文字 (3)不要な属性情報 ・「相手に考えさせたら負け」。見た瞬間にスッと理解出来る資料を作る。 <メッセージは端的に> ・メッセージとは、スライド上部に3行程度で書かれる「最も言いたいこと」 ・メッセージには「説明」「ファクト」「示唆」の3つがある。 ・配置する場所は、「トピックセンテンス」「ボトムセンテンス」の2か所。 ・意味のあるメッセージには次の4つの要件が必要。 (1)合目的性...目的や論点に適っているか? (2)斬新性......相手にとって新しい発見があるか? (3)明確性......具体的な意味がはっきりわかるか? (4)方向性......相手のアクションにつながるか? ・メッセージを記述する際には次の3つのポイントに注意する。 (1)簡潔に書く (2)言葉を統一する (3)印象に配慮する ・メッセージをクリスタライズ(簡潔化)するための技法は次の4つ。 (1)アンサーファースト化...結論を最初に、理由はあとで (2)不要語句の削除...なくても意味の通ずる言葉は削る (3)共通項の括りだし...同じ言葉が繰り返される場合はまとめる (4)熟語化...平易な日本語でダラダラ書かずに熟語で表現する <チャートで表現する> ・見た瞬間に真意が伝わるよう、わかりやすくチャートで表現することが大事。 ・チャートは「オブジェクト」と「レイアウト」にわけて考える。 (1)オブジェクト...イラスト、グラフ、テキストの3種類 (2)レイアウト......連関図、フロー図、樹形図、テーブル図の4種類 ・次の3点に留意し、チャートに「味付け」する。 (1)極力、図形にする (2)タイトルをきっちりつける (3)強調すべき場所を明示する ・主張したメッセージをもとに、ファクトにあう「オブジェクト」と論理にあう「レイアウト」を組み合わせてチャートにする。 <スライドに配置する> ・スライドを作成するには、次の2つのポイントに注意する。 (1)スライドには、上段部に必ずメッセージを入れる。 (2)メッセージとチャートを、きちんと対応させる。 ・スライドを作成するには、次の3つのテクニックを活用する。 (1)読む順序を考え、左上から右下にチャートを配置する。 (2)紙面を最大限に活用する。 (3)可能な限り高さや横位置を揃え、整然とチャートを配置する。 <パッケージを完成させる> ・パッケージの中には、必ず示唆を含める。 ・相手の論理や使用局面にあわせて論理構成をする。 (1)トップダウン全体観型...理解度の高い相手に、短時間で結論説明 (2)トップダウン芋蔓型......必要な部分だけを、短時間で指示 (3)ボトムアップ全体観型...時間をかけて、納得感を醸成 (4)ボトムアップ芋蔓型......理解の疑わしい相手に懇切丁寧に解説 ・3つの切り口を使い分ける。 (1)作業ベース...どんな作業をしたのか進捗を明確にできる(意思決定会議ではNG) (2)項目ベース...検討の全体観が出せる(フレームワークを利用) (3)論点ベース...メッセージをはっきり伝えられる <マテリアルとしてまとめる> ・会議の目的を達成する為に必要となるパッケージを全て織り込んだのがマテリアル。 ・マテリアルは8つのパッケージで構成する。 (1)サマリー.........凝縮した提案内容 (2)前提...............その会議に至る背景、目的 (3)全体像............論点や検証タスクの全体 (4)内容...............会議の直接の議題に対する説明、ファクト、示唆 (5)論点ペーパー...特に強調すべき議論のポイント (6)フォーマット...議論をガイドするための記入用紙 (7)スケジュール...日程表と次回までのアクション項目 (8)参考データ......ストーリーには乗らないが、入れておく必要のあるスライド |コメント(23) |トラックバック(0)|書評|
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