|
MindsetWEB TOP > ブログ -blog- > MindsetSchool > MindsetSchool 10.26
MindsetSchool 10.26
2008/10/27 Mon
第7回マインドセットスクールが終了しました!
本日のゲストは、システム・アーティストの安斎利洋さんです。父です。 安斎利洋 1956年東京生まれ。コンピュータアーティスト、ソフトウェアエンジニア。 「MANDELNET」(1986)「てれめちえ」(1991)「連画」(1992-)などの ネットワークプロジェクト、Ramblers 1993 など、セルオートマトン等 を応用した数理的な作品、SuperTableau 1986, Tabula Pixema 2004などの創作装置、いずれも作動し続ける複雑なシステムを作ることに、 一貫した関心をもっている。 今回のテーマは「"生きている"をデザインする」です。 生命とは何か? 生きているとはどういうことか? そのテーマの深さと面白さを探究していくことが目的。 早速、授業スタート! 親子で並んでいるとみんなから「そっくりだ」と笑われました...笑 あんまり似てないと思うんですが・・ 最初はみんなで円になります。 今回は過去最高の33名の参加!中学生と大学生と大人が良いバランスで混じり合っています。 君は何歳? 「8さい!」 じゃあ君は? 「22歳です。」 そこのあなたは? 「39歳です^^;」 色んな人がいるね~ 「今日は、みなさんに"神様"になってもらいます。神様に年齢は無いけど、 仮に 二十歳 としようか。僕が指を鳴らしたら、みんなは"二十歳の神様"になるんだよ」 パチン! ここで、みんな神様になりました。 1人1人、名前も新たに変わります。 ゼウス、ヘラクレス、ケルベロス、アテナ、セイレン、ポセイドン...。ちなみに僕はリュークで、父はデンデでした(笑) それぞれ神としての名前を得て、みんな、"二十歳の神様"になりました。 さぁ、君は何歳? 「二十歳!」 じゃあ君は? 「二十歳です!」 中学生のお母さんはなぜか嬉しそうでしたね(笑) 「よし、神々の諸君。今日は君たちに"生命"を創ってもらいます。」 「ところで、生命ってなんだろう?」 「"生きている"ってどういうことだと思う?」 「うーん、動けるもの?」 ―なるほど!"動くもの"じゃなくて"動けるもの"というのは良いポイントだね。 「楽しめるもの!」 ―おお、それは素晴らしい!深い答えだ。 人によって色々な答えが出てきます。 「生きているとは何か?実は僕もよくわからない。けど、"生きている"と"死んでいる"の違いはなんとなく、わかるよね? 道に昆虫がいたら、生きているか、死んでいるのかの判断は出来る。つまり、僕らは直感的に"生きている"ことを感じ取れる。」 ここで、"生きている"ということを実感する為に、ちょっとしたワークをしました。 「ここで、神々の諸君に『ワペラ』という"1つの細胞"になってもらおう。」 ここで、各神様に冊子が配られます。 各ページには0~9の数字が印刷されていおり、0から9に進むに従って、各ページの色が濃くなっていくように出来ている。 神々は円になり、ワペラの好きな数字を開きます(左図)。 これが、自分の現在の細胞の状態。 私達は神なので、全細胞の状態を俯瞰することが出来る(=誰が、今どの数字か見える)。 しかし今、同時に私達は細胞(=ワペラの数字)になっている。細胞は、隣合っている細胞(両隣の人の数字)の影響だけを受ける! 1人1人が1つの細胞となり、みんなで生命をデザインしてみよう! どんな生命になるかな? 最初の遺伝子(ルール)は、「自分の数字に、両隣の数字を足し、その平均を取る」というルールでやってみよう。 この遺伝子を、「アベアベ」と名付ける。 遺伝子アベアベはどんな風に動いていくのか? 左右の細胞の数字を見て、自分の数字に足して、3で割る。それが自分の次の細胞の状態。 左右を見て、計算して、平均にチェンジ。 左右を見て、計算して、平均にチェンジ。 それを繰り返していくと... あれ? 動かなくなっちゃった!! 全員、4とか5とか、そのあたりの数字になって、何度平均をとっても数字が変わらない。 つまり...、細胞が死んでしまった! 「どうやら、この遺伝子アベアベは失敗だったようだね」 次の遺伝子は、 「アベアベで平均したあとに、1をプラスする」 というルールでやってみよう。 この遺伝子を、「ワクワク」と名付ける。 果たして、ワクワクは生きられるか? 再びトライしてみると... 今度は"9"で停まってしまった! またも、細胞が死んでしまった...! ワクワクも失敗... 「じゃあ、どんな遺伝子(ルール)なら、細胞が生き続けられるだろう?誰かわかるかな?」 ここで、1人の神様、クレイオー(人間の時の名前:石井くん)から提案。 「足して9になった時に、ゼロに戻る遺伝子にすれば良いと思います!」 よし、じゃあそれを試してみよう!! 名付けて、遺伝子クレイオーゼロ! すると今度は... おお、死なない!何度やっても細胞がずっと動き続けています。 しかも、数時の並び方がでたらめじゃない。 どうやら遺伝子クレイオーゼロは成功したようだ! 今、ワペラ(冊子)で実験した細胞の動きを、セルオートマトンのシミュレーターで見てみよう。 仮に1000人が輪になって、1000回計算を繰り返すと、細胞がどうなっていくか? 遺伝子を数字で入力してボタンを押すだけで視覚化できる優れモノ。 これが、遺伝子アベアベ。 確かに細胞が動かないまま死んでいる。 これが、遺伝子ワクワク。 9(真っ黒)になって細胞が死んだ。 そして、これが遺伝子クレイオーゼロ。 美しい模様を描いている。 「"生きている"に、近づいてきたようだね。なんとなくわかったかな?」 本来は大人でも物凄く難解で難しい概念なのに、 ワペラのワークを終えた中学生は身体で実感することが出来たようです。 次は、このシミュレーターを使ってグループワーク。 暇を持て余した神々のお遊び。 自分の好きなように生命をデザインする。 みんなで色々な遺伝子(ルール)を入れて、 生命の模様を眺めます。 「お、これいいね~!!」 「あーあ、死んじゃった...」 「生きてるけど、この動きはつまんないね」 これがまた面白く、大人も子供も作業に没頭! ここで、安斎さんからヒント。 クレイオーゼロはなぜうまくいったのか? 生命を宿らせるには、アトラクタと非線形がキーポイント。 ※このあたりは興味ある人は自分で調べてみて下さい。 もらったヒントを元に、遺伝子を再びデザイン。 これがなかなか難しく、生き続ける生命は意図的に作れるんだけど、なかなか美しい模様が出せません... みんな紙と鉛筆を使ったりしながら、シミュレーターで色々な遺伝子を試していました。 ここで安斎さんから問いかけ。 「ところで神様ってさ、生命を創るときに、 本当にこんなに頭を使ってるのかな? ・・そうは思えないよね(笑)」 ここで新たに"突然変異"機能をプログラムに導入。 自分でデザインした遺伝子に、突然変異を忍ばせることが出来るようになった! おお!! 突然変異を使うと、ランダムで様々な模様が現れる! あちこちで歓声があがります。 そうして、各自のお気に入りの生命がデザイン出来たら、遺伝子に名前をつけて、紹介する。 「こんな生命つくっちゃったよ~」 「この遺伝子すごくない?」 「こいつかわいいなー」 自分の生命を自慢し合う様子は、 まさに暇を持て余した神々の余興。 僕ら(人間)の知らない世界で、本当にこんなことが行われていそうで怖い(笑) さて、ここで神々の余興はおしまい。 人間の世界に戻ろう!! 再びパチンと指をならし、また再びもとの人間に戻りました。 人間として、セルオートマトン、複雑系について、考えてみる。 実はこれは細胞の動きでもあるけれど、世の中のある動きをも現わしている。 ・人の人気の上がり下がり ・噂の広がり方 ・金融危機 ・偶然の出来事(シンクロニシティ) 等など。 この生命の動きには、現実社会で起きている様々な現象が...、いや、宇宙の全てが詰まっている!! 今日来てくれたみんなには、とても貴重な体験をしてもらいました。 それは、「細胞の視点」と「神々の視点」の両方を体験したこと。 蛍光灯の中で、よく虫が死んでいますよね。 蛍光灯の中に入り込んでしまったまま、 出れずに死んでしまったのだろう... 彼ら(虫)はどうしてそこで死んだのだろう? 彼らはマヌケだろうか?彼らは可哀想だろうか? おそらく、彼らは、自分が今閉じ込められている蛍光灯の外に、 "外の世界"があるなんて、全く見えてすらいなかったのではないだろうか? 観測できないから、外の世界のことなど考えてすらいない。 外の世界に全く気付いていないまま死んだのだから、彼らは幸せだったのかもしれない。 リサ・ランドールという物理学者が、「この世の中は本当は5次元だ!」という理論を提唱しています。 この世の中には僕たちには見えていない"5次元目"が存在するという、非常に注目されている理論。 つまり、僕ら人間にも"蛍光灯の外側の世界"がある、というお話。 もしかしたら、ある日突然僕達が住んでる地球の天井(空)がパカッと開き、宇宙人が覗いてくるかもしれない! 僕たちは外部に世界があるかないか、見えてすらいないので、その可能性を否定することは出来ない。 僕たちは、正しく見えているつもりでも、見えていないことが沢山ある。 僕たちは、すぐに蛍光灯の中に閉じこもってしまう。 右図を見ると、 僕たちは、確信をもって「おばあさん」に見えたり、 また確信をもって「若い女性」に見えたりしてしまう。 「当たり前のこと」と同時に、 また別の「当たり前のこと」があるかもしれない。 「正しいこと」の外側に、 また別の「正しいこと」があるかもしれない。 例えば、左の写真を見て下さい。 とても美しい風景ですよね。 すがすがしい。 では、右の写真はどうだろう? なんか、イヤな感じがしますよね。 何がイヤなんだろう? じゃあ、この左の写真は? うーん、やっぱりイヤだ。少なくとも絶対食べたくない。 じゃあこの写真は? うーん、これも同じくイヤな気持ちがするね・・・。 では、この右の写真を拡大すると・・ あれ?これは千葉県だ!! 千葉県を上から見下ろすと、 イヤな気持ちがするってこと? この模様はなんの模様だろう...? その正体は... ゴルフ場だ! 右の写真も、最初の写真も、 千葉県のゴルフ場だったんですね。 イヤな気持ちの正体は、美しい風景だった。 ひとつの「正しさ」だけの中にいると、大切なことを見失ってしまう。 大事なことは、その蛍光灯の外の世界の可能性について考え続けること。 自分は何がわかっていないのか、考え続けること。 「神様」と「細胞」の視点を両方もつと、人生の意味は何倍も深くなるのです。 さて、毎度おなじみ... ここで終わらないのがMindsetSchool!!!! 最後に安斎利洋さんの人生の物語を楽しむ。 これは、自分のMindset(ものの見方)に磨きをかける大切な時間。 「僕の人生には一貫性がありません。ただ好きなことをしているだけだから、 何かを続けて最後までやり切ったことがない(笑)」 子どもの頃は鉄クズを使って工作ばかりしていたこと。 詩を書いていたこと。音楽をやっていたこと。 大学に入ってもほとんど大学に行かず、 ずっと音楽を続けていたこと。大学を辞めたこと。 世の中にコンピューターが現れ、コンピューターに音楽を演奏させようとしたこと。ギターの絃をコンピューターで作っていたら、セルオートマトンを発見したこと。 そこで偶然生まれた模様の美しさに感動し、それをアートとして作品にしてみたら、注目を浴びてしまったこと。 「音楽をやっていたのに、気付いたらCG作家になっていたんです。」 その後、ペイントソフトの開発をしたこと。 他人とのコラボレーションを追求していたら、今度は 職業が「メディアアーティスト」に変わっていたこと。 「この職業になろう!と思ったことはないんです。 とにかく好きなことを突き詰めてやっていたら、 勝手に世間が自分の職業を決めてしまう。」 「目標は、"自分自身"を創ること。 自分が死んでも作動し続け、 そして新たなことを生み出し続ける。 そんな自分を創りだしたい。」 型破りな人生とその発想に、みんなとても刺激を受けていました。 その後はグループで対話。その後質疑応答タイム! 今回も、良い質問が沢山出ていました。一部だけ紹介すると、 Q「1日だけ5次元の世界に行けるとしたら何をしますか?」 A「5次元の世界には、"1日"という概念は無いんじゃないかな。それでもいくとしたら、あらゆる体験をする。歩いたり、自分を顔を殴ってみたり。それで4次元の世界に戻ってきて、その体験を書き留めます」 Q「今はどんな活動をしているいんですか?」 A「今は視覚を封じたアートを研究しています。目が見えない状態で、人間はどのように作品を創るのか。それを追及したい。あと、言語についても興味を持っている。新たな言語を作ってみようと思っています。」 Q「どうやって自分を創るんですか?」 A「まずは自分の意識を解明しなくちゃいけないよね。その為には、"意識とは何か?"という問を解明しなくちゃいけない。けど、この問の答えは、この問の中に内包されている。ちょっと難しいかな(笑)」 Q「自分を創りたいとのことでしたが、なぜ子どもを創ったのですか?」 A「正直に言うとね...、息子で色々と人体実験をしたんです。赤ちゃんの頃からいろんなものを与えてみたり、「ここは目でこっちが鼻だよ」とか、嘘を教えてみたりね(笑)」 この質問で会場は爆笑していましたが・・・、僕は実験モルモットだったのか・・笑 アンケートでもう「もう1度!」という声がとても多かったので、きっとまた来てくれると思います! 安斎利洋 以上です。 次回(11月)は、久しぶりに僕が講師をやりますよ。お楽しみに! [安斎 勇樹] |コメント(3) |トラックバック(0)|MindsetSchool|
すごい。 思考の柔軟さとか型破りとかいうレベル以上に、 普段の日常でふと忘れがちだから尚更大事にしたい。
投稿者:ponc|2008年10月27日 22:59
う~っむ この父にして、この子ありかあ・・・ よくわかった、気がする。 投稿者:mitani3|2008年10月28日 01:05
パパ、最高でした! 投稿者:ゼウスの母(笑)|2008年10月28日 11:10
URL: |